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日本ぶらり旅

春待つ、雪の里〜白川郷・飛騨高山を訪ねて〜

レポート「えがおで元気」編集 野口

名物の「中華そば」を味わう

名物「中華そば」イメージ

[写真左]鶏ガラとかつおでとった風味豊かなスープがおいしい。オリジナルの細めの縮れ麺との相性は抜群
[写真右]地元の人たちに人気の中華そばを食べさせてくれる『なかつぼ』。親子で店を切り盛りする息子さんの中坪将光さん

 高山のおいしいものといえば中華そば。市内には人気の店がたくさんある。なぜ山里で中華そばの店が流行ったのか。一説によると、寒い山奥で脂分のある汁物の食べ物を求められたからだとも。
 地元の方々に人気の店が『なかつぼ』。鶏ガラとかつおでとったダシに、オリジナルの細い縮れ麺。焼き豚とメンマがのったという、シンプルなだけに味の旨さが光る一品である。
 縮れ麺にスープがしっかりからんで、ツルツルとリズムよくすすれば、深い味わいが口の中に広がる。なんともおいしい一杯である。
 実は高山ではラーメンのことを「そば」と言い、蕎麦のことを「飛騨そば」と使い分けしている。親子二代で切り盛りする『なかつぼ』は、客足がきれることのないほどの人気店だ。

老舗の造り酒屋『渡辺酒造店』の誇りとこだわり

渡辺酒造店イメージ

[写真上]古川町にある造り酒屋の『渡辺酒造店』
[写真左下]杜氏の板垣博司氏の酒造りへの情熱が伝わる
[写真右下]大吟醸には酒米の横綱格、兵庫県産の山田錦が使われている

 飛騨地方は銘酒のふるさと。高山から車で30分ほどのところにある「古川」という町に、名代の造り酒屋『渡辺酒造店』がある。ここでは銘酒「蓬莱」が造られている。
蔵元の創業は享保17年(1732)。渡邉家の初代久右衛門氏が古川で「荒城屋」を起業し、三代目久右衛門氏が両替商と生糸製造で財をなした由緒ある家柄だ。
 造り酒屋をはじめたのは五代目久右衛門章氏。生糸の商いで京都で飲んだ美酒に感動して、飛騨で酒を造ろうと思い立ったことから。久右衛門章氏が味わった美酒の座敷では、謡曲の「鶴亀」が謡われており、その一節の「蓬莱」を気に入り銘柄として決めたという。
早速味わったが、旨味が口の中に広がったとたんにストンと落ちていく、というように実にキレのある味である。聞けば、「iTQi国際品質審査会」や「モンドセレクション」「全国新酒鑑評会」といった大舞台で数々の名誉ある賞を受賞しており、飛騨を代表する酒といえる。

 現在の九代目渡邉久憲氏は、杜氏・板垣博司氏の協力を得て、140年も続く銘酒を造り続けている。板垣氏は18歳で酒造りの世界に入り、29歳の若さで杜氏となった逸材で「伝説の杜氏」と呼ばれている人である。その板垣氏を招くことによって、伝統の酒に、より誇り高い「格」が加わった。
 「蓬莱」の需要の80パーセントは岐阜県内。希少な残りは全国に渡ってはいるが、あくまでも手づくりにこだわり「幻の銘酒」と呼んで愛飲するファンは多い。飛騨・古川町を訪れたならば、ぜひとも手に入れたい酒である。

渡辺酒造店「一番にごり」イメージ

『渡辺酒造店』の「一番にごり」。
地元でしか手に入らない逸品である

雪国イメージ

旅の終わりに

 しんしんと降り積もる雪国の旅は、日常のせわしい時間をすっかり忘れさせてくれた。滋味深い日本酒に酔えば、体も次第に温かくなり、心は解放される。見知らぬ人同士が酒を酌み交わし、お国訛りの言葉で心を交わす。 そして外に出ればそっと雪が頭を肩を覆う。このなんともしっとりとした時間が心地良い。 この雪がやめば、白川郷、飛騨高山の春がやって来る。美しい日本の風景がまた一変する。

白川郷マップ

高山・飛騨マップ

ぶらり日記

ぶらり日記イメージ

今回は春号にもかかわらず、冬景色に驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 写真は冬景色ですが、白川郷や飛騨高山で出会った方々の優しさは春の日差しのようにどこまでも温かいものでした。一番印象に残っているのが、渡辺酒造店の酒造りの様子を見せていただいたこと。

お酒の神様は女性らしく、酒造りの現場は本来なら女人禁制なのだそうです。ですが、突然お邪魔したにもかかわらず、色んなことを丁寧に教えていただいたり、繊細な麹部屋に案内していただいたり。優しさに心が温かくなりました。
 春になると、またガラリと変わった白川郷や飛騨高山の景色を見ることができます。どの季節に行っても心に残る旅になることでしょう。それは地元の方々がみんな良い人だから。私もまたぜひ訪れたいと思います。

「里長閑&栗きんとんぷりん」イメージ

旅のうまかもん「飛騨高山のスイーツ 里長閑&栗きんとんぷりん」

 朝市が開かれる宮川沿いにある『恵那川上屋』高山店(飛騨里の菓工房)の「里長閑(さとのどか)」が「旅のうまかもん」。
 『恵那川上屋』の創業は1964年。本店は岐阜県恵那市で、いわずと知れた栗の名産地。「恵那栗」が普通のものより大きく風味も豊かだ。
 恵那地方は昔から栗を使った甘味を販売する菓子屋が多くある。しかし十数年前には、栗の生産量が需要をまかなう規模に追いつかなくなった。
 それでも『恵那川上屋』は地元産の栗にこだわった。栗農家と契約したり、会社自らが栗生産の事業に取り組んだ。『恵那川上屋』が目指したのは、地元の栗栽培や伝統食普及でもあった。
 念願の「里長閑」をいただいた。甘さを控え栗本来の栗あんと練り菓子が融合した甘味だ。
 また「栗きんとんぷりん」は、恵那の栗と高山名産の牛乳が融合した逸品でお土産におすすめ。『恵那川上屋』の商品はインターネットでも購入できる。

お問い合わせ先

恵那川上屋

http://www.enakawakamiya.co.jp


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