稲刈りが盛りとなった頃、
主人の友人の夫君が亡くなりました。
せめてもの心と、主人は即興の句を色紙に書き、
友人のもとに届けました。
「稲刈りの たばこ時にも 一人分
居ぬ人の茶を そっと置いとく」
「秋の虹 いつか父さんと 渡る橋」
忌明けになり、わが家を訪れた友人は、
「田んぼで休憩をしているとき、
主人のためにお茶を草の上に置いたことを
どうして知っているのかと、びっくりした」と語りました。
「ただ想像したんだよ。あなただから」と主人。
偶然とはいえ、こんなこともあるのかと思いました。
虹は出なかったようですが、変わった雲が現れ、
親族が並んで見たとも話していました。
秋田県 斎藤様