黒酢は野天に並べた壷を使って醸造するという世界でも類をみない製造方法を行っています。
使用している黒酢の原料はたった3つで、蒸し米・米麴(こめこうじ)・地下水の3つで、黒酢と呼ばれる以前は「天然米酢」で製造されていました。しかし、通常の酢が薄い黄色で仕上がるのに対して、この食酢は出来上がると黒っぽく琥珀色に色がついており、「黒酢」と命名されました。原料である米は、籾を外して丸玄米に近い形の玄米のみ使用しており、国内産の玄米のみに限定して使用しています。「生きている米」とも呼ばれる玄米は、ビタミンB群やカルシウム、ミネラルや食物繊維といった栄養素が豊富に含まれていることでも知られています。
黒酢と米酢の違いは?
黒酢と言えば美容や健康などに意識が高い方々より関心を集めています。酢とひと言でいっても、使用される原料や製造方法により種類は異なります。数ある酢の中でも、琥珀色になった酢を黒酢と呼んでいます。一般的な酢は精米を原料とし、金属の容器を使用して約1~3ヶ月の期間で発酵しています。しかし、黒酢は玄米を原料として1~3年もの長い間、原料を仕込んだ壺を天日にさらしながら熟成させていきます。黒酢の醸造技師たちは黒酢作りを子育てのようだと表現しています。毎日壺の蓋を開け、発酵の音に耳を傾け、味や香り、色で出来具合を五感すべてを使い確かめています。そして、熟成年数が長くなるほど、色は濃くなり黒酢独特の風味と香りが生まれます。こうした製造方法や原料の違いから酢の色の違いが生み出されているのです。
深いコクと香り、黒酢にはアミノ酸が豊富
黒酢を製法や原料の違いだけでなく、栄養価などの面から見てみましょう。酢は大きく分けて、醸造酢と合成酢の2つに分類されています。米酢や黒酢などは醸造酢に入り、さらにその中でも穀物酢と果実酢の中の穀物酢に分類されています。そんな黒酢が美味しく、栄養価に優れているといわれているのは、身体の代謝に欠かせないアミノ酸を豊富に含んでいるからです。黒酢(米黒酢)と米酢のアミノ酸の含有量を比較してみると、その差は歴然です。米酢が100ml当たりアミノ酸約227mgに対し、黒酢(米黒酢)は100ml当たりアミノ酸約559mgと圧倒的な差があることがわかります。さらに、うま味成分のひとつであるアミノ酸は、おいしさのカギといえる存在ともなっており深いコクを味わうことができる大切な栄養素となっています。